それから私たちは会うことがなかった。

いや、LINEも3日に1通くるかどうかだった。
そのくらい忙しかったみたいだ。
彼の働いていたお店が潰れ、移店せざるを得なく、新しい店に慣れるため頑張っていたのだ。



そんなことも知らず、私の会いたい気持ちが大きく膨らんでいた。


あれから3週間後くらいのある日の夜。

「助けてくれない?」


19時ごろのLINE。
ホストクラブなんて行ったこともあるわけなく、想像の世界で、お金がたくさんないといけない場所。


「風邪ひいてて、ヘルプに回ることが辛い。指名も9時には帰るから。奢るから来てほしい」


そんな内容だったかな。


お財布を開けると1000円札が1枚。
学生で、キャバのお給料はほぼ時給。金欠状態であることを伝えたが、大丈夫と。



メイクをがんばって、お気に入りの服を着て。彼の待つ場所まで急いだ。