【BL】お荷物くんの奮闘記

「偉そうにしてるけど、たぶん内弁慶なんだろうな、師匠は」


 吹き出したレツにつられて笑う。くだらない話に流れていく会話を続けながら、前を歩くリュータのことが気になって仕方がなかった。



 港町に着いたのは、それから二日が過ぎた昼のことだ。


 リュータの降下した機嫌はその晩だけだったようで、翌日の朝食時にはすっかりいつもの調子に戻っていた。


 結局、レツの居る間は一度も師匠は顔を出すことがなく、魔法のスキルアップ講座も一旦休止になってしまっている。


 中央都市への船の運行状況を調べて、午後には一番早い船が出ると分かると、レツがじゃあこの辺でお別れだなと笑った。


「おれももうちょっと一緒に行きてえけど、いいや。どうせまたすぐ会えんだろ」


 山道と森の中を同行しただけだったが、それでも彼の人を魅了する引力のようなカリスマは強烈だ。ここで解散と言われて別れを惜しむくらいには、頭がもう彼を友人だと認識してしまっている。


「そうか。じゃあな」