「そういや知らねえな。大賢者様と呼べとかなんとか偉そうにしてるけど」
名乗らなかったから訊ねなかったし、呼び名は師匠で事足りた。名を訊ねるよりひとつでも多く魔法を習得しておきたいと逸る気持ちもあって、腕輪の精も同然となっているあの手のひら賢者は「師匠」のままである。
「大賢者様……か」
んー、と頭を捻って、レツが眉を顰める。
「それ、あんま言わねえ方がいいって師匠さんに言っとけよ。なんか最近変なやつら多いから」
「変なやつらって?」
変な、といえばレツも充分変なのだが、そこは今茶々を入れるものではないだろう。
「大賢者の肩書きを名乗る魔法使いを排除するとかいって活動してる過激派? っていうの? がいるんだよ。今は中央都市あたりを活動拠点にしてるっぽいけど、ユウジもリュータも港から中央都市に向かうつもりなんだろ?」
「まあそうだけど、そんなら大丈夫だろ。あの人徹底的に人前に出ようとしない引きこもりだし」
オレしか居ない時にしか来ない自称大賢者が、過激派に狙われるはずがなかった。狙われたからといって、腕輪から出たり入ったりする手乗り賢者を捕まえられるとも思えない。
「大賢者に引きこもりって」
名乗らなかったから訊ねなかったし、呼び名は師匠で事足りた。名を訊ねるよりひとつでも多く魔法を習得しておきたいと逸る気持ちもあって、腕輪の精も同然となっているあの手のひら賢者は「師匠」のままである。
「大賢者様……か」
んー、と頭を捻って、レツが眉を顰める。
「それ、あんま言わねえ方がいいって師匠さんに言っとけよ。なんか最近変なやつら多いから」
「変なやつらって?」
変な、といえばレツも充分変なのだが、そこは今茶々を入れるものではないだろう。
「大賢者の肩書きを名乗る魔法使いを排除するとかいって活動してる過激派? っていうの? がいるんだよ。今は中央都市あたりを活動拠点にしてるっぽいけど、ユウジもリュータも港から中央都市に向かうつもりなんだろ?」
「まあそうだけど、そんなら大丈夫だろ。あの人徹底的に人前に出ようとしない引きこもりだし」
オレしか居ない時にしか来ない自称大賢者が、過激派に狙われるはずがなかった。狙われたからといって、腕輪から出たり入ったりする手乗り賢者を捕まえられるとも思えない。
「大賢者に引きこもりって」
