【BL】お荷物くんの奮闘記

 あっさり信じてくれるバ……純粋なやつらで良かった。とはいえ、作戦だというのもあながち間違いではなくなる。


 重力操作魔法の効果が切れる前にと荷物をまとめ、火を消して、出立の準備を勝手に整える。そして荷物と、地を這う二人を引きずって中心に寄せ、『制限付きの空間移動魔法』――脱出魔法を構築し始めた。


 風景を鮮明に覚えている場所、または現在目で見えている地点まで移動する魔法である。魔力を大幅に消費するためラクをするために使うわけにはいかないが、今回のこれは戦線離脱に使うのだから正しい使い方と言えるだろう。


 荷物を背負い、二人の腕を掴んで脱出魔法を発動させた。目標地点は崖下、森の中だ。


 逃げるが勝ち。よくよく考えてみれば、アイテムを消費して朝まで消耗戦を持ちかけるよりこちらの方がよっぽど賢い手段であった。



 持久戦覚悟で勝負を挑んでいたのであろう二人は、戦線離脱後しばらくきょとんとして顔を見合わせていた。


「なんだ、やっぱあいつら倒した方がよかったか?」


「ううん。ユウジ、もしかしてこれがあの時言ってた魔法?」


「そうだな。教え方が悪いせいで覚えるのに苦労したんだが」


「先生に怒られるよ……」