懐いていた兄貴分が知らないうちにうっかり殺されかけたとあって随分気が立っていたのだろう。捕縛されたあたりから脱出までの経緯を事細かに、何度も同じ話の説明を要求された。同じ話を何度もさせられるというのはそれはそれで警察に事情聴取されているような気分になるが、事情聴取は言ってみれば内容に矛盾がないかの確認作業なのだ。
彼の場合は疑われているというより、無事に帰ってこれた事実を確認したいのだろう。可愛い弟分を不安にさせてしまった責任くらいは甘んじて負おうと思う。
「ユウジ」
「うん?」
「その、師匠って今会えるの?」
「あー、それがおまえと合流してから、呼んでも叩いても返事くれねえんだよな」
違う話題になったことにほっと息を吐く。姿を見せないどころか一切黙り込んでしまった魔法の先生は、住処である腕輪をつついてもうんともすんとも言わなくなってしまった。
脱出できたら魔法教えてくれるんじゃなかったのかよ。
「師匠さん、また出てきてくれるといいね。次は攻撃魔法とか、教えてくれるんだろ?」
「おう。今はぶっちゃけ逃げるための魔法しか習得できてねえし、しばらく戦闘はやっぱおまえ任せだわ。頼むぜ」
「それはいいんだ、ユウジがいてくれたらおれ負ける気しないし」
「まあ、おまえはめったなことじゃ負けねえだろうけど」
「負ける気しないのと負けないのとは違うよ。どこが違うって説明は……できないけど」
ああ、それにしても現時点敵前逃亡が十八番とは、情けないことこの上ない。
彼の場合は疑われているというより、無事に帰ってこれた事実を確認したいのだろう。可愛い弟分を不安にさせてしまった責任くらいは甘んじて負おうと思う。
「ユウジ」
「うん?」
「その、師匠って今会えるの?」
「あー、それがおまえと合流してから、呼んでも叩いても返事くれねえんだよな」
違う話題になったことにほっと息を吐く。姿を見せないどころか一切黙り込んでしまった魔法の先生は、住処である腕輪をつついてもうんともすんとも言わなくなってしまった。
脱出できたら魔法教えてくれるんじゃなかったのかよ。
「師匠さん、また出てきてくれるといいね。次は攻撃魔法とか、教えてくれるんだろ?」
「おう。今はぶっちゃけ逃げるための魔法しか習得できてねえし、しばらく戦闘はやっぱおまえ任せだわ。頼むぜ」
「それはいいんだ、ユウジがいてくれたらおれ負ける気しないし」
「まあ、おまえはめったなことじゃ負けねえだろうけど」
「負ける気しないのと負けないのとは違うよ。どこが違うって説明は……できないけど」
ああ、それにしても現時点敵前逃亡が十八番とは、情けないことこの上ない。
