【BL】お荷物くんの奮闘記

「さあ、処刑や拷問が嫌なら、今ここで私の魔法で一思いに、でも構わないよ。選ぶといい」


「……やなこった」


 初めて口を開いた彼が、ついでに舌をべっと出した。


「お偉いさんは必ず処刑の前にオレの顔確認しに来るはずだと践んで、あんたが情報提供してくれんのを待ってたんだよ。人間側の話を聞くのに丁度良かったからな。……あばよ」


 彼の手首を繋いでいた手錠が光る。ほぼ同時に、かしゃんと音を立てて手錠が抜け落ちた。


 そして彼の周囲を囲むように、大きく魔方陣が展開する。


 光が目に付いたのか、入り口付近で待機していた兵士達が何事かと駆け寄ってくる。しかしその光景を兵士達が目撃する直前、牢の中に居たはずの青年は光に包まれてどこかに消えてしまった。


「……あの魔法は……」


 間違いなく、あの人のオリジナルスペルだ。



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