「うん、よろしくね」
これも授けられた特殊能力なのかどうかは分からないが、笑顔を向けるとよほどレベル差が近くなければ確実におとなしく話を聞いてもらえるというのは正直ありがたい。原理はともかく効果は実証済みなのだから、使える場面では積極的に使っていくことにしている。
案内された地下牢は、洞窟内のダンジョンのようなじめじめとした空気で満ちていた。ここからは一人で大丈夫、と地下牢の入り口付近で兵を待たせて先へ進む。最奥の牢に、先日見かけた黒髪の青年が力なく座り込んでいる。
「君が、ユウジくんかな」
「……」
「隠さなくても、分かるさ。あの世界から君を選別したのは私だ」
安心してよ、君の名前を始めとする情報の全てはヴェルター達には教えてない。好きなだけ秘匿するといい。そう続けると、無関心を装っていた彼の表情が強いものに変わる。他人に睨み付けられるというのも久しぶりだ。
「君には、死んでもらうためにこちらに来てもらった。勇者の剣、君は手にできなかっただろう。あれは私の望む勇者にだけ受け継がれる剣だ」
できるだけ、威厳を保って、鼻につく感じで。昔どこかで見た記憶を参考に、それから傲慢な慈悲を込めた笑みを浮かべる。
これも授けられた特殊能力なのかどうかは分からないが、笑顔を向けるとよほどレベル差が近くなければ確実におとなしく話を聞いてもらえるというのは正直ありがたい。原理はともかく効果は実証済みなのだから、使える場面では積極的に使っていくことにしている。
案内された地下牢は、洞窟内のダンジョンのようなじめじめとした空気で満ちていた。ここからは一人で大丈夫、と地下牢の入り口付近で兵を待たせて先へ進む。最奥の牢に、先日見かけた黒髪の青年が力なく座り込んでいる。
「君が、ユウジくんかな」
「……」
「隠さなくても、分かるさ。あの世界から君を選別したのは私だ」
安心してよ、君の名前を始めとする情報の全てはヴェルター達には教えてない。好きなだけ秘匿するといい。そう続けると、無関心を装っていた彼の表情が強いものに変わる。他人に睨み付けられるというのも久しぶりだ。
「君には、死んでもらうためにこちらに来てもらった。勇者の剣、君は手にできなかっただろう。あれは私の望む勇者にだけ受け継がれる剣だ」
できるだけ、威厳を保って、鼻につく感じで。昔どこかで見た記憶を参考に、それから傲慢な慈悲を込めた笑みを浮かべる。
