hogehogeQuestによると――改めて考えてみてもネーミングはださいと思う――四つの神殿それぞれには仕組みを編集する地点が設けられていて、それら四箇所全てに管理者登録が済めば、この世界の外側にアクセスできる通路が作られるらしい。

魔王を継がなくともこの方法なら現代に帰れるかもしれないと希望の光が見えたところで、既に四箇所のうちひとつは少年の姿をした悪魔とやらによって崩壊していたことを思い出す。


 管理者登録というのは、祭壇の中央から穴に落ちた際、リュータたちが自分と同じように中へ入ることができなかったあたりのことを指していそうだ。


 この世界の外側から来ていると思われるあの無表情天使たちは好きなように行き来し放題なんだろうなと溜め息をつきたくなる。


「ユウジ! ……あれ?」


 リュータが祭壇の上までやってきて目を瞬かせた。彼らからすれば、穴に落下して直後に再び上がってきたように見えることだろう。状況が飲み込めていないリュータの頭を撫でて、続く二人に口を開く。


「終わったぜ。東国の呪いやワープゾーンはこれでたぶん、完全に除去されてるはずだ」


 結局、東国からは特に連絡もなかった。突然ワープゾーンが広がって国が壊滅したとか、バグ感染者が経過時間に関わらず一気に全員消滅したとか、そういった報告がないなら問題なさそうである。


 帰ったら東国に待たせている今回の件の依頼主に、大賢者ファンクラブの会員を移住させる交渉を始めなければならない。