リュータが頷いて、片手を掲げた。わずかな魔力が光に変換され、彼の手の中に久方ぶりに見るなんのへんてつも面白みもない剣が生まれた。
師匠とノアによって一部汎用化されかけているが、このスキルは師匠からの情報と照らし合わせてみるに基本的には勇者固有スキルとして世間に知れ渡っている。
知らない者も居るだろうが、勇者を待ち望む人間がこれを扱える意味を知らないはずがない。
「おれが勇者……になったみたいなんだ。えっと、その勇者の石? っていうの、お姉ちゃ――じゃなくて、見てもいいなら、案内してほしいんだけど」
見た目の神々しさに呆然としている彼女に水を差すのはよろしくないだろう。「イシ」のイントネーション違うぞ、という突っ込みはしないでおく。賢者の石かよ。
伝説の勇者様補正で、アホ具合はフィルタリングされたようだ。彼女がリュータの言葉に、はい、と頷いた。
「大賢者様は、また、勇者様とお会いになったんですね」
何気ない彼女の言葉には、それ以上の意味はない。
屋敷の地下にあるらしい勇者の遺志を確認すべく、暗い階段を五人で降りていく。いくつかの南京錠を解錠して行き着いたその場所に安置されていたのは、テレビゲームだった。
「ユウジ、あれ」
「……スーファミ、の、もういっちょ古いやつだな。ファミコン……っぽいけど」
ご丁寧に古いパソコンのような四角い箱型テレビも置いてある。薄型テレビに慣れ切った平成生まれのリュータと二人、顔を見合わせる。
師匠とノアによって一部汎用化されかけているが、このスキルは師匠からの情報と照らし合わせてみるに基本的には勇者固有スキルとして世間に知れ渡っている。
知らない者も居るだろうが、勇者を待ち望む人間がこれを扱える意味を知らないはずがない。
「おれが勇者……になったみたいなんだ。えっと、その勇者の石? っていうの、お姉ちゃ――じゃなくて、見てもいいなら、案内してほしいんだけど」
見た目の神々しさに呆然としている彼女に水を差すのはよろしくないだろう。「イシ」のイントネーション違うぞ、という突っ込みはしないでおく。賢者の石かよ。
伝説の勇者様補正で、アホ具合はフィルタリングされたようだ。彼女がリュータの言葉に、はい、と頷いた。
「大賢者様は、また、勇者様とお会いになったんですね」
何気ない彼女の言葉には、それ以上の意味はない。
屋敷の地下にあるらしい勇者の遺志を確認すべく、暗い階段を五人で降りていく。いくつかの南京錠を解錠して行き着いたその場所に安置されていたのは、テレビゲームだった。
「ユウジ、あれ」
「……スーファミ、の、もういっちょ古いやつだな。ファミコン……っぽいけど」
ご丁寧に古いパソコンのような四角い箱型テレビも置いてある。薄型テレビに慣れ切った平成生まれのリュータと二人、顔を見合わせる。
