「本当に困っている人を見たら助けずにはいられないお人柄だからと」
なんだ師匠、他の仲間からもわりと信頼されてるんじゃないか。
話を聞いたところ、神の怒りからの避難で勇者の遺志に触れた子供が居たこと、それから一般人にも少しずつ呪いが蔓延していったこと等、ヴェルターたちが聞いていた経緯には間違いはないようだ。
子供が大人になってから国外に出て、再び帰ってきた時にはすでに感染していたらしいという点も否定はされなかった。
「管理していたのは占部一族の分家――私の先祖でもあります。彼は、神の怒りによって故郷が一瞬にして更地になってしまったことを嘆いていたのでしょう。
勇者の遺志に触れたことで自分が特別であると錯覚し、世界を変えるのは自分だと話していたらしいことは聞いていました」
おおむね推測通りだ。勇者の遺志に具体的に何が残されているのかは分からないが、そこにはおそらくゲームプログラマーの視点で考えられたこの世界の「裏側」と、その改善策が記述されている。
この世界の住民が読んでも扱うことなどできないだろうが、扱えなかったからバグに感染して帰ってきたと考えるのが自然だろう。
ここまで事情が分かれば、あとは勇者の遺志を確認してそこからバグの解消方法を……、と、そこまで考えていたところに予想外の言葉が続けられた。
なんだ師匠、他の仲間からもわりと信頼されてるんじゃないか。
話を聞いたところ、神の怒りからの避難で勇者の遺志に触れた子供が居たこと、それから一般人にも少しずつ呪いが蔓延していったこと等、ヴェルターたちが聞いていた経緯には間違いはないようだ。
子供が大人になってから国外に出て、再び帰ってきた時にはすでに感染していたらしいという点も否定はされなかった。
「管理していたのは占部一族の分家――私の先祖でもあります。彼は、神の怒りによって故郷が一瞬にして更地になってしまったことを嘆いていたのでしょう。
勇者の遺志に触れたことで自分が特別であると錯覚し、世界を変えるのは自分だと話していたらしいことは聞いていました」
おおむね推測通りだ。勇者の遺志に具体的に何が残されているのかは分からないが、そこにはおそらくゲームプログラマーの視点で考えられたこの世界の「裏側」と、その改善策が記述されている。
この世界の住民が読んでも扱うことなどできないだろうが、扱えなかったからバグに感染して帰ってきたと考えるのが自然だろう。
ここまで事情が分かれば、あとは勇者の遺志を確認してそこからバグの解消方法を……、と、そこまで考えていたところに予想外の言葉が続けられた。
