記憶の中から彼女を掘り起こそうとしていたところ、大人しく隣に座っていたリュータが声を上げた。
「お、おねえちゃん?」
リュータの実家に女の子はいなかったはずである。従姉妹に範囲を広げても、確かいなかった。発言に面食らっていると、彼が補足する。
「えっと……ユウと旅してた頃、パーティメンバーだった女の人がいてね、お姉ちゃんって呼びなさいって」
「そ……そうか」
自分は会ったことがないが、記憶のどこかに引っかかっていた理由はそれだったようだ。勇者ダイゴ一行のパーティメンバー、僧侶の女性。見れば見るほど瓜二つである。
戸惑っている彼女にすみませんと笑う。
「あの、ひょっとしてあなたの家系って、どこかで勇者と一緒に旅をしたとかじゃないですか?」
「直系ではありませんが、仰る通り、勇者様にお仕えした僧侶の血が混じっております」
「どうりで……」
「大賢者様は必ず復活の手段を用意しているはずだから、困ったら頼りなさいというのも幼い頃からよく言い聞かされていました」
ああうん、なかなかちゃっかりしてる感じの女の人だったもんなあの僧侶。本人は直接この家系には入っていないんだろうけど、たぶん子供たちに言って聞かせていたのが習慣づいてそのままこの家にも持ち込まれたんだろう。
レツも似たようなことを言っていたが、何の対策も講じず易々と殺されるような素直な人間じゃないと思われていたようである。
「お、おねえちゃん?」
リュータの実家に女の子はいなかったはずである。従姉妹に範囲を広げても、確かいなかった。発言に面食らっていると、彼が補足する。
「えっと……ユウと旅してた頃、パーティメンバーだった女の人がいてね、お姉ちゃんって呼びなさいって」
「そ……そうか」
自分は会ったことがないが、記憶のどこかに引っかかっていた理由はそれだったようだ。勇者ダイゴ一行のパーティメンバー、僧侶の女性。見れば見るほど瓜二つである。
戸惑っている彼女にすみませんと笑う。
「あの、ひょっとしてあなたの家系って、どこかで勇者と一緒に旅をしたとかじゃないですか?」
「直系ではありませんが、仰る通り、勇者様にお仕えした僧侶の血が混じっております」
「どうりで……」
「大賢者様は必ず復活の手段を用意しているはずだから、困ったら頼りなさいというのも幼い頃からよく言い聞かされていました」
ああうん、なかなかちゃっかりしてる感じの女の人だったもんなあの僧侶。本人は直接この家系には入っていないんだろうけど、たぶん子供たちに言って聞かせていたのが習慣づいてそのままこの家にも持ち込まれたんだろう。
レツも似たようなことを言っていたが、何の対策も講じず易々と殺されるような素直な人間じゃないと思われていたようである。
