東国を目前にして、自分とリュータはどうやら自然発生した転送トラップに引っかかったらしい。
リュータは北方山脈麓にとばされていたらしく、嵐のせいで戻ることもできなかったのだそうだ。この遺跡はどうやら北方山脈手前にあるようだが、遺跡の外では雨が降っていたなど気付きもしなかった。
いったいどれくらいの長い時間を人魚との戦闘に費やしたのか、それとも時空間移動の弊害か、時間の経過自体が狂っていたのか。
自分が遺跡に飛ばされている間、リュータは山脈麓で出会った親切な魔法使いに、雨が止むまでうちにおいでと家に招待され食事までご馳走になっていたという。この魔法使いホイホイが。
ともかく、そこで世間話をしながら食事をとり終えた頃に偶然雨が止み、魔法使いに「思い描いた人の元に飛べるスクロール」を貰ってこちらに飛んできたということらしい。
スクロールと言っても一般的な紙に書かれたものではなく、赤い色の宝玉だ。中央都市で大賢者の躯に埋め込まれていたコアに似ている。
聞くところによるとこのスクロール――コアスクロールとでも呼んでおこう――に込められた魔法は瞬間移動ではなく高速飛行の魔法のため、天候が悪かったり障害物が多かったりするとうっかり死にかける。
それゆえその魔法使いは移動手段を知っていて雨が止むまで引きとめたのだろう。
リュータは北方山脈麓にとばされていたらしく、嵐のせいで戻ることもできなかったのだそうだ。この遺跡はどうやら北方山脈手前にあるようだが、遺跡の外では雨が降っていたなど気付きもしなかった。
いったいどれくらいの長い時間を人魚との戦闘に費やしたのか、それとも時空間移動の弊害か、時間の経過自体が狂っていたのか。
自分が遺跡に飛ばされている間、リュータは山脈麓で出会った親切な魔法使いに、雨が止むまでうちにおいでと家に招待され食事までご馳走になっていたという。この魔法使いホイホイが。
ともかく、そこで世間話をしながら食事をとり終えた頃に偶然雨が止み、魔法使いに「思い描いた人の元に飛べるスクロール」を貰ってこちらに飛んできたということらしい。
スクロールと言っても一般的な紙に書かれたものではなく、赤い色の宝玉だ。中央都市で大賢者の躯に埋め込まれていたコアに似ている。
聞くところによるとこのスクロール――コアスクロールとでも呼んでおこう――に込められた魔法は瞬間移動ではなく高速飛行の魔法のため、天候が悪かったり障害物が多かったりするとうっかり死にかける。
それゆえその魔法使いは移動手段を知っていて雨が止むまで引きとめたのだろう。
