爆発だと思っていたそれは、正しくは壁を強烈な一撃で破壊する音だったようだ。崩壊した壁の向こうからは外の景色が見える。上から遺跡の壁を突き破って、さらにこちらまで力技で進んできたのだろうか。
「離れてよ」
「えー、おまえが相変わらずもたついてるみてえだから今ちょっと味見しよーかと思ってんだけど」
「ユウジから離れろ。触るな」
「お、やるか? そーこなくちゃな」
にやにや笑いながら、レツが一歩前に出る。その隙に脇に逃げると、リュータがこちらに駆け寄ってレツとの間に割り入ってきた。
リュータがこちらを見て、唇を噛みしめる。人魚との戦闘からのレツとの思い出したくない攻防のおかげで体はボロボロ、服はあられもない感じになってしまっていた。
「あいつ……!」
「リュータ、よせ」
頭に血が上っている。リュータが何に怒っているのかはさておき、ここで二対一の戦闘になるのはできれば避けたいところだ。
「今のオレらがレツと戦って勝っても、無事じゃ済まねえ」
「へえ、勝つつもりでいんの。……その目、もし戦闘になっても相討ちに持ち込めるくらいの秘策はあるって感じだな」
レツが手にした斧を肩に担いで、一歩こちらに歩み寄る。
「やっぱユウジ、おれおまえが欲しいわ」
「渡さない」
「さっきから殺気やべえなリュータ。……ああ、聞いてたか? おれが魔王を倒した旧勇者だって話」
「離れてよ」
「えー、おまえが相変わらずもたついてるみてえだから今ちょっと味見しよーかと思ってんだけど」
「ユウジから離れろ。触るな」
「お、やるか? そーこなくちゃな」
にやにや笑いながら、レツが一歩前に出る。その隙に脇に逃げると、リュータがこちらに駆け寄ってレツとの間に割り入ってきた。
リュータがこちらを見て、唇を噛みしめる。人魚との戦闘からのレツとの思い出したくない攻防のおかげで体はボロボロ、服はあられもない感じになってしまっていた。
「あいつ……!」
「リュータ、よせ」
頭に血が上っている。リュータが何に怒っているのかはさておき、ここで二対一の戦闘になるのはできれば避けたいところだ。
「今のオレらがレツと戦って勝っても、無事じゃ済まねえ」
「へえ、勝つつもりでいんの。……その目、もし戦闘になっても相討ちに持ち込めるくらいの秘策はあるって感じだな」
レツが手にした斧を肩に担いで、一歩こちらに歩み寄る。
「やっぱユウジ、おれおまえが欲しいわ」
「渡さない」
「さっきから殺気やべえなリュータ。……ああ、聞いてたか? おれが魔王を倒した旧勇者だって話」
