「あの、大丈夫……?」
驚くべきことに外傷が一切無い。嵐の中でもものすごい音が家まで響いたことからして、かなりの高度からの落下だったような気がするのだが、内臓も骨も見た限りでは問題なさそうな様子だ。
少年がふらつきながら、だいじょうぶ、と答えてくる。
「えっと、このまま外に居たら風邪引いちゃうよ。家に入りなよ」
「ありがとう」
落ちてきた人の手を引いて、一旦家の中まで連れてきた。少年はやはり特に怪我が痛むような様子を見せない。屋内をきょろきょろと見回して、それからこちらと目を合わせる。
「君は?」
「ぼくは、カイン。すごい高い場所から落ちてきたみたいだけど、大丈夫だった?」
「ああ、うん。平気だよ」
平気なのかあれで。不思議な人だなあ、などとのんびり考えながら、びしょぬれの彼にタオルを手渡す。
「ありがとう。カイン、ここはどこ?」
「ここ? 北方山脈の麓だよ」
「北……また変なところに飛ばされちゃったのか……」
ひょっとしてユウジも、と少年がぶつぶつ呟いて、あっと思い出したように声を上げる。
「ねえ、おれの他に誰か一緒に落ちてこなかった? おれ、東国に向かって四人で旅してたはずなんだけど」
「君一人だったけど……東国? 今あそこは危ないよ」
「危ないって?」
驚くべきことに外傷が一切無い。嵐の中でもものすごい音が家まで響いたことからして、かなりの高度からの落下だったような気がするのだが、内臓も骨も見た限りでは問題なさそうな様子だ。
少年がふらつきながら、だいじょうぶ、と答えてくる。
「えっと、このまま外に居たら風邪引いちゃうよ。家に入りなよ」
「ありがとう」
落ちてきた人の手を引いて、一旦家の中まで連れてきた。少年はやはり特に怪我が痛むような様子を見せない。屋内をきょろきょろと見回して、それからこちらと目を合わせる。
「君は?」
「ぼくは、カイン。すごい高い場所から落ちてきたみたいだけど、大丈夫だった?」
「ああ、うん。平気だよ」
平気なのかあれで。不思議な人だなあ、などとのんびり考えながら、びしょぬれの彼にタオルを手渡す。
「ありがとう。カイン、ここはどこ?」
「ここ? 北方山脈の麓だよ」
「北……また変なところに飛ばされちゃったのか……」
ひょっとしてユウジも、と少年がぶつぶつ呟いて、あっと思い出したように声を上げる。
「ねえ、おれの他に誰か一緒に落ちてこなかった? おれ、東国に向かって四人で旅してたはずなんだけど」
「君一人だったけど……東国? 今あそこは危ないよ」
「危ないって?」
