呪術国家となったのは人が有利になってから。魔優勢の時代に奴隷として呪術研究をさせられていた者達が残した資料をもとに世界の呪いを研究していたらしく、つまり大賢者――師匠が表舞台から消えてから成長した国ということになる。
そもそも「世界の呪い」とは、その仕組みを知ろうとした”資格無き者”に伝染し、死に至らしめるという謎の事象を指すらしい。だからこそ当時は奴隷を使って研究を進めさせていたのだろう、呪いにかかった者は苦痛とともに徐々にその体を蝕まれ、まず助からない。
しかし、それを自分達でどうにかすることができればその功績を足がかりに東方の国への滞在許可を請うこともできよう。
他国との交流のない国へ大賢者ファンクラブの施設を移動させ、大人しくさせておけば良い。東国の権力者も、こちらに助けを求めておいてそこで態度を変えることはできないはずだ。
問題は呪いの解呪方法である。こればかりは行って様子を見てみないことには判断のしようがない。
「事情は把握した。力になれるかどうかは分からないが、東国へ向かうことにするよ」
捕縛されていた使いに道案内は任せる。ひとまず東へは少人数で赴き、呪いの解呪――移住先の確保が完了してから全員を連れていくのが無難だろう。
「じゃあ、東国にはオレとリュータと……ヴェルターも来てくれるか?」
「このまま本国へ戻るわけにもいかん」
「ありがとう。この三人で」
そもそも「世界の呪い」とは、その仕組みを知ろうとした”資格無き者”に伝染し、死に至らしめるという謎の事象を指すらしい。だからこそ当時は奴隷を使って研究を進めさせていたのだろう、呪いにかかった者は苦痛とともに徐々にその体を蝕まれ、まず助からない。
しかし、それを自分達でどうにかすることができればその功績を足がかりに東方の国への滞在許可を請うこともできよう。
他国との交流のない国へ大賢者ファンクラブの施設を移動させ、大人しくさせておけば良い。東国の権力者も、こちらに助けを求めておいてそこで態度を変えることはできないはずだ。
問題は呪いの解呪方法である。こればかりは行って様子を見てみないことには判断のしようがない。
「事情は把握した。力になれるかどうかは分からないが、東国へ向かうことにするよ」
捕縛されていた使いに道案内は任せる。ひとまず東へは少人数で赴き、呪いの解呪――移住先の確保が完了してから全員を連れていくのが無難だろう。
「じゃあ、東国にはオレとリュータと……ヴェルターも来てくれるか?」
「このまま本国へ戻るわけにもいかん」
「ありがとう。この三人で」
