「内部からかき乱されても厄介ですので、みずから志願した者のみ仲間に引き入れています。無論大賢者様のお力を目にして惚れ込まない者などおりますまいが」
そういうことか。人心掌握にどんな手を使ったのかは知らないが、各国で実力者とされる魔法使いを手当たり次第に拉致していたというよりは大賢者に心酔しそうな者に接触しては仲間にするという布教活動を繰り返していたわけだ。
ならば戦う理由はない。ヴェルター達のほうを説得して、ファンクラブの皆さんへは今後布教活動は控えるように言い伝えれば良いだけである。
「お話しのところ失礼いたします。ノア様、緊急のご報告が」
「どうかしたか」
「中央の回し者と思しき連中が侵入、攻撃を仕掛けてきた模様です。現在交戦中と報告を受けました」
「そうか。全く中央の者は無粋なものだ……大賢者様」
「うえっあ、はい」
侵入者というのは十中八九、リュータ達だろう。動揺を隠すのに精一杯だったところに突然話を振られ、声が裏返る。
「少々トラブルがあったようです。ただいま片付けて参りますので、お話はまた後ほど」
「あっ……その、それ、オレもついてったらまずいか」
「御覧になりたいというのであればもちろんお断りいたしませんが……私がしくじるとお思いで?」
そういうことか。人心掌握にどんな手を使ったのかは知らないが、各国で実力者とされる魔法使いを手当たり次第に拉致していたというよりは大賢者に心酔しそうな者に接触しては仲間にするという布教活動を繰り返していたわけだ。
ならば戦う理由はない。ヴェルター達のほうを説得して、ファンクラブの皆さんへは今後布教活動は控えるように言い伝えれば良いだけである。
「お話しのところ失礼いたします。ノア様、緊急のご報告が」
「どうかしたか」
「中央の回し者と思しき連中が侵入、攻撃を仕掛けてきた模様です。現在交戦中と報告を受けました」
「そうか。全く中央の者は無粋なものだ……大賢者様」
「うえっあ、はい」
侵入者というのは十中八九、リュータ達だろう。動揺を隠すのに精一杯だったところに突然話を振られ、声が裏返る。
「少々トラブルがあったようです。ただいま片付けて参りますので、お話はまた後ほど」
「あっ……その、それ、オレもついてったらまずいか」
「御覧になりたいというのであればもちろんお断りいたしませんが……私がしくじるとお思いで?」
