前者の可能性は低そうだ。当事者おいてけぼりの状態で盛り上がっている皆さんをよそに、手持ち無沙汰にスマホを見る。パーティメンバー欄の下に、控えユニットなる項目が追加されていた。
なんだこれ。ユニットの氏名とレベル、HPとMPが一行でまとまって記載され、スワイプでざっと四十名分が確認できる。上から順に高レベルのユニットのようだ。
「ノア……」
最高レベルの控えユニット、ノアはレベル六十三。そのすぐ下から並んでいる控えユニットは一回りレベルが低く、それでもレベル五十台がごろごろ居る。
「お呼びですか、我らが主よ」
呟きがこの騒がしさの中でも聞き取れてしまったのか、昨日この拠点へ自分を案内した例の男がさっと目の前に傅いた。
「えあ、いや……これ見て、ちょっと驚いたから」
「拝見いたします。それは、異国の文字でしょうか」
「あ、そうか、読めないのか。そうだな、ここにノアって名前が書いてあって、隣がレベル、その次がステータスだ」
外国人に日本語を読んで聞かせるような感覚でスマホの画面を指差して、そこでやっと思い当たる。自分が呟いたノアという名前で、呼ばれたと勘違いしてやってきたこの男。彼が「ノア」なのではないか。
だとすれば男のレベルは六十三、おそらくレベル帯の近いヴェルター並みのステータスを揃えた、ハイスペック魔法使いである。
なんだこれ。ユニットの氏名とレベル、HPとMPが一行でまとまって記載され、スワイプでざっと四十名分が確認できる。上から順に高レベルのユニットのようだ。
「ノア……」
最高レベルの控えユニット、ノアはレベル六十三。そのすぐ下から並んでいる控えユニットは一回りレベルが低く、それでもレベル五十台がごろごろ居る。
「お呼びですか、我らが主よ」
呟きがこの騒がしさの中でも聞き取れてしまったのか、昨日この拠点へ自分を案内した例の男がさっと目の前に傅いた。
「えあ、いや……これ見て、ちょっと驚いたから」
「拝見いたします。それは、異国の文字でしょうか」
「あ、そうか、読めないのか。そうだな、ここにノアって名前が書いてあって、隣がレベル、その次がステータスだ」
外国人に日本語を読んで聞かせるような感覚でスマホの画面を指差して、そこでやっと思い当たる。自分が呟いたノアという名前で、呼ばれたと勘違いしてやってきたこの男。彼が「ノア」なのではないか。
だとすれば男のレベルは六十三、おそらくレベル帯の近いヴェルター並みのステータスを揃えた、ハイスペック魔法使いである。
