「……リュータだろうな」
彼の暴走で一時的にステータスが「ウリエル」となっていたことと、こちらの世界にやってきてすぐであるにも関わらず高レベルだったことからして彼が二代目勇者で間違いない。
そこで、彼が自分を守ることに固執していた理由も、なんとなく分かってしまった。魔王となった親友に見送られた彼は、地上に帰ってきたその時既に魔王が討伐されていたと知って何を思っただろう。一緒に戦えなかったことを、守れなかったことを悔いただろうか。
その悲しみや絶望が彼を縛っているのだとしたら、「ユウ」と会わせてやれれば彼の傷も少しは癒えるかもしれない。
そうなると、自分以外に師匠が見えないというのは正直痛い。どうにかして会わせられれば、双方のすれ違ったままの感情も地に足が着くように思うのだが。
リュータ達の助けもないまま、一夜が明けてしまった。
大賢者ファンクラブの皆さんの前で演説をする流れになりかけて慌てて取り繕いながら話を逸らし、歓迎会のようなものが勝手に開かれてゆくのを呆然と眺めながら事態の進展を待つ。
師匠に渡された知識の中に、この大賢者ファンクラブについての情報は含まれていなかった。
どうも記憶の全てが渡されたわけではないようだが、現時点で必要な分を継承されたと考えると少なくとも彼らの情報はたいしたものではないのか、それとも師匠のあずかり知らぬ所で結成されたファンクラブなのかのどちらかということになる。
彼の暴走で一時的にステータスが「ウリエル」となっていたことと、こちらの世界にやってきてすぐであるにも関わらず高レベルだったことからして彼が二代目勇者で間違いない。
そこで、彼が自分を守ることに固執していた理由も、なんとなく分かってしまった。魔王となった親友に見送られた彼は、地上に帰ってきたその時既に魔王が討伐されていたと知って何を思っただろう。一緒に戦えなかったことを、守れなかったことを悔いただろうか。
その悲しみや絶望が彼を縛っているのだとしたら、「ユウ」と会わせてやれれば彼の傷も少しは癒えるかもしれない。
そうなると、自分以外に師匠が見えないというのは正直痛い。どうにかして会わせられれば、双方のすれ違ったままの感情も地に足が着くように思うのだが。
リュータ達の助けもないまま、一夜が明けてしまった。
大賢者ファンクラブの皆さんの前で演説をする流れになりかけて慌てて取り繕いながら話を逸らし、歓迎会のようなものが勝手に開かれてゆくのを呆然と眺めながら事態の進展を待つ。
師匠に渡された知識の中に、この大賢者ファンクラブについての情報は含まれていなかった。
どうも記憶の全てが渡されたわけではないようだが、現時点で必要な分を継承されたと考えると少なくとも彼らの情報はたいしたものではないのか、それとも師匠のあずかり知らぬ所で結成されたファンクラブなのかのどちらかということになる。
