これまで通りの力が使えなくなれば逆に、遠巻きに迫害するのではなく、彼を捕らえようとする者も増えることだろう。
あいつの光が強すぎるから。
……オレの願いは。
少し寂しそうな笑顔で、少年が空に消える。炎の翼を広げて。
眩しかった。目に沁みる朝焼けのように。
「ウリエルに、無条件で勇者の資格を与え続けることだ」
おそれと、信仰は紙一重。彼以上の身近な脅威が現れれば、彼を恐れるものはいなくなる。自分が、少年以上の脅威となって民の前に君臨すれば。民は勇者を必要とする。彼を恐れ忌避していた者たちは皆、自分を恐れるようになって、勇者の力を永遠に、望み続ける。
勇者なら回復呪文も、ある程度の魔法も、武器の生成も習得できる。もしも彼が戻ってきた時に自分が生きていなかったとしても、自分と敵対することになってしまったとしても、再び石を投げられることがあったとしても、傷を癒すことができる。誰からも必要とされて、今以上に、身を守ることだって。
システムが作動するのが、なんとなく肌で感じ取れた。新しく呼ばれる勇者には申し訳ないが、倒されてもらおう。彼を永遠の勇者に据えるために。
あいつの光が強すぎるから。
……オレの願いは。
少し寂しそうな笑顔で、少年が空に消える。炎の翼を広げて。
眩しかった。目に沁みる朝焼けのように。
「ウリエルに、無条件で勇者の資格を与え続けることだ」
おそれと、信仰は紙一重。彼以上の身近な脅威が現れれば、彼を恐れるものはいなくなる。自分が、少年以上の脅威となって民の前に君臨すれば。民は勇者を必要とする。彼を恐れ忌避していた者たちは皆、自分を恐れるようになって、勇者の力を永遠に、望み続ける。
勇者なら回復呪文も、ある程度の魔法も、武器の生成も習得できる。もしも彼が戻ってきた時に自分が生きていなかったとしても、自分と敵対することになってしまったとしても、再び石を投げられることがあったとしても、傷を癒すことができる。誰からも必要とされて、今以上に、身を守ることだって。
システムが作動するのが、なんとなく肌で感じ取れた。新しく呼ばれる勇者には申し訳ないが、倒されてもらおう。彼を永遠の勇者に据えるために。
