【BL】お荷物くんの奮闘記

 今までみたいに、ユウに守ってもらうんじゃなくて。庇護対象ではなく、ちゃんと皆から認められる存在になって、そして彼と対等になりたかった。


「ユウ、おれ、ちょっと出かけてくるよ。……どうすれば天使をやめられるか、訊いてくる。おれ、これからもユウと一緒にいたいから」


 髪に触れていた彼の手を両手でそっと外す。彼が目を細めた。


「どれくらいかかるか、分からないけど」


「……わかった。オレが爺になる前に帰ってこいよ」


「うん」


 行き先までは告げなかったけれど、ユウは分かっていたはずだ。だから、自分が老いて先に行ってしまう前に、と約束を取り付けてきたんだろう。


「またな」


 彼がそう言って、もう一度頭を撫でた。






 約束したから、帰ってきた。


 ヒトになる手段は、彼が一度否定した“転生”しか存在しない。翼を落としても、天に属する存在であることから追放されても、ヒトにはなれないのだ。