【BL】お荷物くんの奮闘記

 不完全な存在であれば、たとえ攻撃を食らってもここまでダメージは負わない。この攻撃力で不完全だとするなら、敵は自分と同じ階級の存在だ。


「おい、しっかりしろ!」


 肺がいかれたか、声さえ出せない自分を見てユウが顔色を変えた。天使の攻撃の第二波がやってくる寸でのところで、彼がパーティメンバー全員を覆う魔力結界を展開させる。


 僧侶と自分たちの位置は、広いフロアの中でかなり距離が離れてしまっていた。結界の維持のために動くことのできない戦士と僧侶を尻目に、ユウが回復魔法を構築する。


 いくら彼が魔法の天才だからといって、天使の攻撃すら防ぐ結界を三箇所維持しながら回復魔法まで使うのは無理がある。彼の才能をもってすればあるいは可能かもしれないが、戦う前に魔力が底を尽きてしまうだろう。


「……ユウ、へいき、だよ」


「うるせえ黙れ」


 彼が回復魔法を諦めた。次に構築を始めたのは、蘇生魔法らしい。


「おれ、ヒトじゃないよ。皆と、同じ生き物でもない。天使って、名前をつけられただけの、代替機なんだ」


「おまえが天使――ヒトじゃないのなんて、とっくに知ってるわアホ。いいから黙れ」


「別に、おれが死んでも、次のウリエルが新しく生まれるだけだから、気にしなくて、いいのに」