【BL】お荷物くんの奮闘記

 しかし魔物がこちらの都合など考えてくれようはずもなく、竜は白い炎を口角から吹き出しながら襲いかかってきた。


「おれが時間稼ぐから、体勢たてなおして!」


 振りかぶられた竜の爪を剣で受け流す。返す刃で前足を片方切り落とすと、前足は氷になって床の上に砕け散った。この神殿では中ボス以降は時間経過では復活しないからか、切り落とされた部位が氷になるようだ。


 輝炎の神殿で、光の文字列によって作り出されていた魔物たちを思い出す。呪文によって生きてるみたいに動かされてるだけの、人形なんだろうよ。戦いながらふと、ユウの言葉が脳裏に蘇った。


 おれは、……おれも。


「危ねえ!」


 後方から、回想に重なるように聞こえたユウの声で顔を上げる。竜の尾に横から弾かれて、部屋の端まで吹き飛ばされた。


「ウリエル、生きてるか!」


「大丈夫! ごめん、おれ」


「オレらももう戦える、無理すんな!」


 見れば自分の代わりに戦士が前線を守り、後衛二人が魔法の構成を始めている。