【BL】お荷物くんの奮闘記

「いや、七体じゃなくて、……八体いる?」


 扉の先を覗き込んでいると、ユウが頭の上に顔を乗せてくる。


「そんな気したんだよな。復活したか何か知らねえが、部屋から出ると時間を巻き戻したみたいにリセットされて魔物が出てくるようになってる。このタイプの遺跡には多いんだよ、こういう仕掛け」


 こりゃ全部倒してから謎解きするのも駄目だろうな、ユウが頭頂部に顎をぐりぐりと押し付けてきた。言っている意味はなんとなく分かったが、痛い。自分の髪質が彼にとって撫で心地が良いらしく、ユウは手持ち無沙汰になるとこちらの頭を触ってくる。それにしても痛い。


「同じ部屋に留まっていても時間が経過すれば魔物が復活するって仕掛けも見たことはあるが、そこまで考えてちゃキリないな。ここである程度の仮説立てて、やってみて駄目だったらまたここに戻って作戦練り直しで地道にやってくしかなさそうだ」


 最初に入ったこの部屋だけは、魔物が出ない空間らしい。彼がその場に腰を下ろす。正面の扉をそうっと閉じて、ユウの隣に座った。


「左右の部屋は、正面とは扉の数が違っていた。左が入口含めて扉三枚、右が扉四枚だ。正面が四枚だったことを考えると、しらみつぶしに当たっていくにしても三枚の方から攻略していった方が分かりやすいな」