「ウリエル、先の部屋で一匹だけ仕留めて帰ってこれるか」
「え、うん。できると思うけど……」
「よし行って来い」
言われるまま、先ほど覗いた正面の扉を潜る。扉は開けたままで数歩進むと、氷の狼が一匹こちらに気付いて襲い掛かってきた。
経験上、狼系統の魔物は最初の攻撃パターンが必ず大きく踏み込んで飛び上がる、牙を使った攻撃になる。口を開いた魔物が剣の届く距離に降りてくるタイミングを見計らって剣を一閃させる。刀身に噛み付かれるより早く両顎を割いて、胴に柄を叩き付けた。
仲間がやられたのを見て、部屋中の狼七匹が一斉に向かってくる。思わず剣を構えようとしたところで、背後からユウの間延びした声がかけられた。
「もういいぞ、戻ってこい」
魔物に追いつかれる前に後ろの扉に戻る。間一髪で閉められた扉からは、何故か追いすがる獣の声はしない。
「あと何匹いた?」
「七だよ。どうして?」
ユウの問いかけに質問で返す。彼は答えてはくれず、もう一回扉開けてみろと促される。
開けたところで交戦になるに決まっている。疑問に思いつつも再度扉を開くと、先ほど倒した魔物の骸はどこかに消え、興奮状態にあったはずの七匹の狼はまるで部屋に入る前のように悠々と部屋を歩き回っていた。
「え、うん。できると思うけど……」
「よし行って来い」
言われるまま、先ほど覗いた正面の扉を潜る。扉は開けたままで数歩進むと、氷の狼が一匹こちらに気付いて襲い掛かってきた。
経験上、狼系統の魔物は最初の攻撃パターンが必ず大きく踏み込んで飛び上がる、牙を使った攻撃になる。口を開いた魔物が剣の届く距離に降りてくるタイミングを見計らって剣を一閃させる。刀身に噛み付かれるより早く両顎を割いて、胴に柄を叩き付けた。
仲間がやられたのを見て、部屋中の狼七匹が一斉に向かってくる。思わず剣を構えようとしたところで、背後からユウの間延びした声がかけられた。
「もういいぞ、戻ってこい」
魔物に追いつかれる前に後ろの扉に戻る。間一髪で閉められた扉からは、何故か追いすがる獣の声はしない。
「あと何匹いた?」
「七だよ。どうして?」
ユウの問いかけに質問で返す。彼は答えてはくれず、もう一回扉開けてみろと促される。
開けたところで交戦になるに決まっている。疑問に思いつつも再度扉を開くと、先ほど倒した魔物の骸はどこかに消え、興奮状態にあったはずの七匹の狼はまるで部屋に入る前のように悠々と部屋を歩き回っていた。
