恐る恐る中を覗き見ると、その先に広がっていたのは暗闇だった。
「なにこれ」
暗闇といっても、部屋の中が暗いわけではない。扉の先から一歩出たそこは、部屋そのものが深い落とし穴であるかのような奈落だ。
奈落を越えた向こう岸に、次のフロアに進める扉がもうひとつ見える。
こちらを覗き込んで、ユウがやっぱりなと息を吐いた。
「扉の先自体が試練になってるんだ。だから堂々と見つかりやすい真正面に扉を配置したってことか」
彼が指先に小さな炎を灯して、弾く。火の玉は扉の向こう、奈落を越えて次の扉に向かって飛んで、いこうとした。
「あ、消えた」
奈落に差し掛かった瞬間、彼の魔力の炎は風に吹かれた松明のように消えてしまった。
「この落とし穴部屋、魔法無効化空間らしいな。魔法で向こうに渡るのはNGだ」
空飛ぶ魔法で渡ろうとしたら皆して落っこちるところだったぞ。彼が続ける。なんとなく、自分が天使の翼を広げれば渡れそうな気がしたが、それを提案する前に彼が扉を閉めてしまった。
「このフロアに、奈落を通過できる仕組みが何かあるはずだ。それを探そうぜ」
「なにこれ」
暗闇といっても、部屋の中が暗いわけではない。扉の先から一歩出たそこは、部屋そのものが深い落とし穴であるかのような奈落だ。
奈落を越えた向こう岸に、次のフロアに進める扉がもうひとつ見える。
こちらを覗き込んで、ユウがやっぱりなと息を吐いた。
「扉の先自体が試練になってるんだ。だから堂々と見つかりやすい真正面に扉を配置したってことか」
彼が指先に小さな炎を灯して、弾く。火の玉は扉の向こう、奈落を越えて次の扉に向かって飛んで、いこうとした。
「あ、消えた」
奈落に差し掛かった瞬間、彼の魔力の炎は風に吹かれた松明のように消えてしまった。
「この落とし穴部屋、魔法無効化空間らしいな。魔法で向こうに渡るのはNGだ」
空飛ぶ魔法で渡ろうとしたら皆して落っこちるところだったぞ。彼が続ける。なんとなく、自分が天使の翼を広げれば渡れそうな気がしたが、それを提案する前に彼が扉を閉めてしまった。
「このフロアに、奈落を通過できる仕組みが何かあるはずだ。それを探そうぜ」
