「勇者業は、まあ、おまえで充分だよ。力不足だなんて言ってねえし、思ってもいねえ」
彼を追って村の外れまで歩いてきてしまった。村を見渡せる小高い丘に足を進めたユウが、手招きする。
「お子様にはわかんねえかもしれないけど。あいつに夢見せちまった責任っていうか、そういうめんどくさいもんがあるんだよ、オレにはさ」
異世界から召喚された彼の勇者――ダイゴは、故郷の世界では酷い場所で働いていたらしい。こちらにやってきてすぐ、ここならば自分の手で未来を切り開けると喜んでいたのだそうだ。
魔王を倒せば元の世界に戻れるという情報を得て、勇者は冗談交じりに「帰りたくないし、もうオレここに住もうかな」と笑ったらしい。
「ダイゴさんは、幸せじゃなかったの? 死に際に恨み言でも言われたの?」
「どうだろうな。少なくとも、……一緒に暮らそうかって話してた時は、楽しそうだったよ」
ちゃらんぽらんな笑顔の裏で必死に蘇生魔法や復活の魔法を研究し続けて、昼間は眠そうに戦闘に加わっている。なぜそんなに初代勇者を取り戻したいのか、自分には理解できなかった。
「あいつの本心がどこにあったのか、分からなかったんだ。だからこれは単にオレのエゴでさ。やり直したいんだよ。あいつともう一度」
彼を追って村の外れまで歩いてきてしまった。村を見渡せる小高い丘に足を進めたユウが、手招きする。
「お子様にはわかんねえかもしれないけど。あいつに夢見せちまった責任っていうか、そういうめんどくさいもんがあるんだよ、オレにはさ」
異世界から召喚された彼の勇者――ダイゴは、故郷の世界では酷い場所で働いていたらしい。こちらにやってきてすぐ、ここならば自分の手で未来を切り開けると喜んでいたのだそうだ。
魔王を倒せば元の世界に戻れるという情報を得て、勇者は冗談交じりに「帰りたくないし、もうオレここに住もうかな」と笑ったらしい。
「ダイゴさんは、幸せじゃなかったの? 死に際に恨み言でも言われたの?」
「どうだろうな。少なくとも、……一緒に暮らそうかって話してた時は、楽しそうだったよ」
ちゃらんぽらんな笑顔の裏で必死に蘇生魔法や復活の魔法を研究し続けて、昼間は眠そうに戦闘に加わっている。なぜそんなに初代勇者を取り戻したいのか、自分には理解できなかった。
「あいつの本心がどこにあったのか、分からなかったんだ。だからこれは単にオレのエゴでさ。やり直したいんだよ。あいつともう一度」
