【BL】お荷物くんの奮闘記

 奥では採掘がされていないのか、徐々に入り組んだ道になってくる。遭難しても困るので、分かれ道では要所要所で写真を撮りながら進むことにした。そうしてスマホでライトを点けながら慎重に動いていると、奥から人の話し声が聞こえてくる。


 音を立てないように壁を伝い、覗き込む。灯りを中心に囲って笑い合っているのは、人外の要素が少々見られる程度の人間だった。魔の要素が濃いのか、お偉いさんというよりは、山賊のような風体をしている。


 しばし観察を続ける。山賊のようだと表現したが、それにしては装備品はまともに見えた。自分の身に着けている防具の方がよっぽど低級である。そこで、ここまでで得た情報が結びついた。


 この鉱山に居るのは本国に雇われた人間で、本国はこの村を切り捨てるために今回の件を仕組んだのではないだろうか。本国に出した使いが戻ってこないというのも、おそらく拘束されたか始末されたか、この説が正しければ無事ではないだろう。


 せめて彼らの会話がもう少し聞き取れれば、と踏み込んだその時、足元の小石が砕けた。


 ぱきっという小さな音は、坑道内に大きく響く。


「誰だ、そこに居るのは」


 バレた!


 素人が隠密行動なんてするもんじゃなかった。やばい、と慌てて踵を返し、逃亡を図る。