「……ウリエル……二代目勇者、か。おまえならひょっとしたら、読む資格があるかもしれねえ。メモに残しとくから、宿に戻ったら教えてやる」
「うん」
「ユウ。その文章が勇者ダイゴのためのものだったとしても、大まかにどんな内容だったかくらい教えてくれてもいいんじゃない? この場にいるのがダイゴだったら、教えてって言えばちょっとは教えてくれたはずよ」
「そうだな。……この石碑は、なんつーか、神様からの……勇者宛ての手紙だ。助けてくれ、って意味の」
遅れて石碑を覗きに来た僧侶が、自分では解読できないその文字に肩を竦める。老齢の戦士がそれならと言葉を続ける。
「神からの言葉であればおおかた、魔王を倒せという内容だろう。我等のなすべきことに変わりはない」
「それもそうね」
後に聞いたところ、石碑にはこの世界の成り立ちと、真理が書かれていた。聡い彼はきっとこの時に気付いたのかもしれない。……勇者ダイゴの消滅の理由に。
思えばこの時に、石碑の意味を自分が正しく理解できていれば、もっと違う結末があったのだろう。
戦士の台詞に苦笑したユウが、メモを終えて立ち上がる。大きく伸びをした。
「うん」
「ユウ。その文章が勇者ダイゴのためのものだったとしても、大まかにどんな内容だったかくらい教えてくれてもいいんじゃない? この場にいるのがダイゴだったら、教えてって言えばちょっとは教えてくれたはずよ」
「そうだな。……この石碑は、なんつーか、神様からの……勇者宛ての手紙だ。助けてくれ、って意味の」
遅れて石碑を覗きに来た僧侶が、自分では解読できないその文字に肩を竦める。老齢の戦士がそれならと言葉を続ける。
「神からの言葉であればおおかた、魔王を倒せという内容だろう。我等のなすべきことに変わりはない」
「それもそうね」
後に聞いたところ、石碑にはこの世界の成り立ちと、真理が書かれていた。聡い彼はきっとこの時に気付いたのかもしれない。……勇者ダイゴの消滅の理由に。
思えばこの時に、石碑の意味を自分が正しく理解できていれば、もっと違う結末があったのだろう。
戦士の台詞に苦笑したユウが、メモを終えて立ち上がる。大きく伸びをした。
