そこまで考えて、そういえばこの試練は自分のための場ではなく、先代勇者のためのものだったことを思い出す。自分に解けなくて当然なのだ。情けないけれど。
「……STARTは始まりの意味だから先頭に来て、DSECT、ここに炎が来るように並べ替えて、DC……引用符……」
途中までは彼が紙に文字列を書き込んでいるのを覗き込んでいたが、最早何を書いているのか分からない。
「できたぜ。ちょっと下がってろよ」
メモを片手に、ユウが文字列に封印された奥の扉まで進んでいく。
「正解の順番通りに文字を触れば、火傷はしないはずだ」
彼が文字列のうちの一つに手を伸ばす。すぐ側で、念のためと僧侶が回復魔法の準備を始めた。
光の中に彼が躊躇いなく人差し指を入れた。炎は発生することなく、光が弾けて単語は消え失せる。
「ほらな。いま全部解除するから待ってろ」
彼はすこしも迷う様子を見せなかった。次々にトラップは解除されていき、扉の前に無数にあった光の文字列は見る間に弾けていく。
「END……で終わりだ。こんなもんだろ、先行こうぜ」
「……STARTは始まりの意味だから先頭に来て、DSECT、ここに炎が来るように並べ替えて、DC……引用符……」
途中までは彼が紙に文字列を書き込んでいるのを覗き込んでいたが、最早何を書いているのか分からない。
「できたぜ。ちょっと下がってろよ」
メモを片手に、ユウが文字列に封印された奥の扉まで進んでいく。
「正解の順番通りに文字を触れば、火傷はしないはずだ」
彼が文字列のうちの一つに手を伸ばす。すぐ側で、念のためと僧侶が回復魔法の準備を始めた。
光の中に彼が躊躇いなく人差し指を入れた。炎は発生することなく、光が弾けて単語は消え失せる。
「ほらな。いま全部解除するから待ってろ」
彼はすこしも迷う様子を見せなかった。次々にトラップは解除されていき、扉の前に無数にあった光の文字列は見る間に弾けていく。
「END……で終わりだ。こんなもんだろ、先行こうぜ」
