そこまで考えて、これオレじゃなくてリュータのが勇者なんじゃね、と脳裏に過ぎる。その可能性は高い。スマートフォンのステータスガジェットにも、自分の職業は研究者と表示されていた。研究者が勇者にクラスチェンジするとは、正直思えない。
こちらの申し出で村長は是非にと頭を下げ、簡単な防具を用意してくれた。最初の町で入手する装備品らしく、防御力もそれなりの質素なものである。
村の少女に鉱山まで案内してもらい、その場で別れて内部へ入る。魔法についても自分が使用できるかどうか試しておく必要がある。坑内の酸素量を考慮して入り口付近で手を掲げ、とりあえず想像のし易い炎の魔法をイメージしてみた。
「えーと、出ろー……とかじゃ出ないか」
出るはずが無かった。掲げた手のひらにはマッチほどの火すら出てこない。
「じゃあ、ファイヤー! ……出ねえし」
ちょっと恥ずかしかった。呪文の詠唱的なものが必要なんだろうか。呪文とか知らない。ここは一旦魔法は諦めて、大きな町に出た際にでも魔術書的な本を探してみることにしよう。考えてみればジョブ研究者だし。魔法使いじゃねえわ。
気を取り直して奥へと進む。魔物と遭遇した場合の攻撃手段が無いが、逃げ足だけは自信がある。今回は魔物退治を依頼されたわけではないのだから、交戦の必要はないのだ。
ここまでで入手した情報をスマホのメモアプリに記入しつつ、均された坑道を歩く。いかにも裏面隠しボスの居そうな構造である。むしろ確実に何か居るだろここ。うっかりボス部屋に進んでしまわないように気をつけねばなるまい。
こちらの申し出で村長は是非にと頭を下げ、簡単な防具を用意してくれた。最初の町で入手する装備品らしく、防御力もそれなりの質素なものである。
村の少女に鉱山まで案内してもらい、その場で別れて内部へ入る。魔法についても自分が使用できるかどうか試しておく必要がある。坑内の酸素量を考慮して入り口付近で手を掲げ、とりあえず想像のし易い炎の魔法をイメージしてみた。
「えーと、出ろー……とかじゃ出ないか」
出るはずが無かった。掲げた手のひらにはマッチほどの火すら出てこない。
「じゃあ、ファイヤー! ……出ねえし」
ちょっと恥ずかしかった。呪文の詠唱的なものが必要なんだろうか。呪文とか知らない。ここは一旦魔法は諦めて、大きな町に出た際にでも魔術書的な本を探してみることにしよう。考えてみればジョブ研究者だし。魔法使いじゃねえわ。
気を取り直して奥へと進む。魔物と遭遇した場合の攻撃手段が無いが、逃げ足だけは自信がある。今回は魔物退治を依頼されたわけではないのだから、交戦の必要はないのだ。
ここまでで入手した情報をスマホのメモアプリに記入しつつ、均された坑道を歩く。いかにも裏面隠しボスの居そうな構造である。むしろ確実に何か居るだろここ。うっかりボス部屋に進んでしまわないように気をつけねばなるまい。
