【BL】お荷物くんの奮闘記

 付け加えるようなプロフェットの言葉に、リュータが情けない顔をした。勉強を教えてやった時くらいしか見る機会のない、彼にしては珍しい表情である。


「ぜ、ぜったいだめ!」


 何やら自分には分からない攻防戦がプロフェットとリュータの間で起こっているのだろう。

こちらの腕にしがみついてきたリュータのいつになく焦った様子も気にはなったが、頭は既にここで得た情報量の多さを整理して飲み込む方に回っていた。



 街に出てみると、建物を含めてほとんどが元通りになっていた。

まるで襲撃直前にセーブしてそこまでリセットしたかのような風景に、ひょっとしてこれも意識のない自分が勝手にやったのだろうかと不安になってくる。

自分のレベルに見合わない魔法を使うとどうなるかは体験済だ。今のところ身体に異常はなさそうだが、用心しておくに越したことはない。


 宿の従業員は避難しなかったのかそれとも戻ってきたのか、借りていた部屋に戻ることはできた。ヴェルターの出発は翌朝、今夜は取ってあった部屋で休んで明日合流することになっている。


 空の塔を出てから沈黙が続いているリュータを置いて、先に入浴を済ませてきた。あんなことがあった後だ、一人で考えたいこともあるだろう。