振られたんだ……

そう思った。


先生は私を傷付けないように言ってくれた。


でもね。
やっぱり先生が好きなの。

まだ私、ちゃんと好きって言ってない。


不毛な恋だってわかってる。


だけど、初めて人を好きになれた。

私の平凡な日常が変わった。
楽しくて、色鮮やかに、全てが輝いて見えた。

人を好きになるとこんなにも幸せなんだって、初めて知った。


私の初恋。叶わない想い。

何も言わずに終わりになんてしたくない。



泣きそうになのをグッと堪えて「先生…」と掠れた声で呼ぶ。


「ん?」と、私の大好きな甘い声で返事をする先生。



「せん、せ……私、わたしーーー」



言葉が上手く出てこない。


緊張して声は震えるし、とにかくいっぱいいっぱいで涙が出ちゃいそうだし。

先生は多分私が言おうとしてることに気付いてるはずなのに、迷惑がったり困ったような表情は決して見せないし。


振られたってわかってるこの一瞬も、先生への気持ちが膨れ上がるばかり。