俺の質問に

水城はうーんと考え込んでから


「佐伯くんはさ

なんであたしに嫌われてると思ったの??」

俺に尋ねてきた。


なんで、って

そんなん………


「お前が俺を

嫌いって言ったからだよ」


あの日の事を思い出し

思いため息と共に出た言葉。



俺はこんなに鮮明に

あの日を覚えてる…


「えぇ?

いつ??」


って、おい!



「いつって…

同じクラスになってすぐくらいに

ぶつかったの覚えてねぇ?」



こいつ、まさか覚えてない??


そう心配になったけど



みるみる青ざめていく水城の顔に

思い出したんだと解釈する。


”まさか”


と言いたげな水城に向かって

確信させてやるために言葉を続けた。




「あのあと、お前と小泉が話しんてんのを

聞いちゃったんだよ…」