今の俺は、恥ずかしさでいっぱいで
水城の頭を押さえるその手に
無意識に力が入ってただなんて
気付くわけがなくて。
「もう見ない!見ないからっ
いたいよ―…」
そんな泣きそうな水城の声に
慌てて力を緩めてから
悪かった、のキモチを込めて
そっと頭を撫でてみた。
…猫みてぇ…
俺の腕の中
ゆったりと身をあずけて撫でられてる水城は
気を許した猫のように
リラックスした様子。
そんな水城の髪を
相変わらず撫で続けながら
緊張もだいぶ収まり、落ち着きを取り戻した心に
浮かんだのは大事な疑問。
「てかさ―
俺ら何でこんな思い違ってたんだ?」
だってさ。
お互い好きだったのに
お互い嫌いだと思ってたんだぞ?
…有り得なくね???


