13−11。
相手サーブ。
この状況が、水城を焦らせてしまったんだろう。
なんとしてでも
レシーブをとろうとしてしまったんだろう。
普通なら届かない場所に来たサーブを取るため
あいつは無理にジャンプした。
そして…
その瞬間に足を捻った。
水城が足を捻ったと気付いた瞬間
俺の体は勝手に動いてたんだ。
気がいたら救護コーナーに戻ってて
テーピングとはさみだけ掴むと
コートに座り込む水城の前にいた。
水城に姿勢を合わすようにしゃがみ
「最後までやりたい?」
そう聞くと、水城は何度も頷いて。
俺は痛みが感じにくくなるよう
気をつけながらテーピングを巻いた。
巻き終わって靴を履いた水城は
ぴょんぴょんと跳び跳ねて
大丈夫ってアピールをする。
そんな水城が可愛くて
「頑張れ」
なんて言った俺は
今さらになって恥ずかしくなり
いそいで救護コーナーに戻った。


