で、突き指した人やらなんやら
俺は選手の手当に追われてるわけだ。
そしてあっというまに時間はすぎ
「オッケーです。
もう大丈夫っすよ」
20人目ぐらいの手当を終えて
やっと一息つけた。
「奈津!」
疲れてぐったりしていた俺の元に来たのは
「あ?どした??」
やけに嬉しそうな顔をした弘貴。
「水城さんたち、決勝だって!」
興奮した感じで告げた弘貴の報告に
「まじで!?
すげえじゃん!」
思わず疲れもふっとんだ。
「お前、決勝は見に来るだろ?」
「あ……っと」
見に行きたいに決まってる。
だけど、俺、抜けていいのか?
そう思いながら保健の先生のほうを向くと
「佐伯くん、行っていいわよ!
今日は佐伯くんにいっぱい助けてもらったから
決勝くらい彼女の応援しに行きなさい!」
と言ってくれた。


