「…ぷっ。
お前、そんなんで無視してたの？」
俺の話を聞いた弘貴は
案の定大爆笑で。
俺、なんで言っちまったんだ…
「それはなんかの感違いだと思うよ。
ありのままのお前を見て
吐きそうになる女がいるわけない」
弘貴はひとしきり笑った後、
凹んでいた俺にそう言った。
「なんでそんな言い切れるんだよ」
「奈津はカッコイイから」
…なんかキモい。
男に面と向かって真顔でﾞカッコイイﾞって言われると
キモいんだけど…
「おい、キモいとか思うなよ」
どうやら顔に出ていたらしく
弘貴は傷いた顔をした。
「とりあえず、もっと自信もてば？」
最後にそんな台詞を残して
弘貴はグラウンドに戻って行った。
って、俺も戻らね―とっ！
俺は慌てて弘貴を追い掛けた。
