「佐伯、休憩とれ」
「うっす」
あれから数時間経ち
時刻は8時をすぎたぐらいだろうか。
フリーバッティングの自分の番を終え
監督から個人休憩の指示が出た。
「あち―…」
ベンチに一旦戻りタオルを掴むと
顔を洗うため水道に向かった。
グラウンドを出て歩いていると
前方から数人の女子が歩いて来た。
こんな時間に女子??
普段この時間に
女子が学校に残ってることは、まずない。
珍しいな…
そう思ってると
「やっぱ奈津だ!
何してんの―?」
いきなり名前を呼ばれた。
近づいてみると、
そいつらはクラスの女子で
よく見るとハロマにでるバレーメンバー。
「俺今休憩…って、
おまえらこんな時間まで練習してたの?」
俺がそう問うと
「うん!
勝ちたいからねっ」
と1番近くにいたやつが答えた。


