…飯島、お前ずるい。
俺だって…
俺だってさ?
水城と喋りて―よ。
2人の会話を勝手に聞いて
そんなことを思いながら見てたら
「じゃあ、また明日ね!」
飯島は鞄を持つと水城に手を振り
水城が返事をしたあと
俺に視線を向けた。
”盗み聞きはよくないよ?”
そんな台詞が聞こえてきそうな笑顔で
「奈津も、ばいばい」
なんて笑いやがる。
あ―、やっぱこいつ苦手。
なんて思いながら
「じゃ―な」
ってとりあえず返事したら
横から感じる強い視線。
おもわずそっちを見ると
水城がポカンとした顔で俺を見上げてた。


