3時間目の授業のはじまりを告げるチャイムがなり、エイミーは足早に教室へ戻っていった。

いつまでも気分をあげることができない私は、保険医が戻ってきたときに「頭も重いし身体も重いから、今日はもう早退させてください」と伝えた。



本当に体調が悪いわけじゃない。

クラスメイトたちに腹を抱えて笑われ、教室に戻るとまた火がついたように笑われてしまうんじゃないかって思うと、足を踏み入れる勇気がなかった。



「そっかぁ、風邪のひきはじめかな?あれほど濡れてしまったら、風邪をひいてもおかしくないものね。今日はもう帰りなさい。カサエル先生には私から報告をしておくわ」

「すみません…ありがとうございます」



まだ乾ききっていない制服とルキのマントを手に、一礼をして保健室からでた。



「もうっ、メイベルったらどうして帰っちゃったのよ‼」



寮に戻ってからピーちゃんと一緒にベッドへ転がっていると、エイミーがなにやら慌ただしい様子で帰ってきた。



「あっ、おかえりエイミー」

「おかえり、じゃないよバカッ‼カサエル先生からメイベルが風邪ひいて早退したって聞いたから、飛んで帰ってきたんだからね!」



なによ、ピンピンしてるじゃないの!と、怒りを顕にするエイミーに「ごめんごめん」と謝りながら、どうしても教室に戻る気になれなかったことを話した。