ルキの実技試験、私も見たかったな。



エイミーが言うには、ルキの試験は私が実技室から去ったすぐあとに行われたらしい。



なにやら野球ボールほどの火の玉を5つ出現させて、あっという間に小鳥を5羽すべて撃ち落としてしまったのだとか。



「それがさぁ、火の玉が小鳥を追いかけていくのよ!それで5羽同時に消しちゃってね、カサエル先生もあのライザも、唖然としてたんだから!」

「鳥を追いかけていくだなんて、すごいコントロール力だよね。しかも5羽同時でしょ?いったいどうすれば、そんなことができるんだろうね?」



私も火の魔法は何度も使ったことがあるけれど、火を放った方向に真っ直ぐ飛ばすことだけで精一杯だった。

放った火を自在に方向転換させられるってことがいかに難しいか、よく知っていたからこそ信じられない話しだった。

それも、5つの火を同時にコントロールしていたというのだから更に驚きだ。



まぁでもルキは、校門の防衛魔法を破れるくらいの実力の持ち主だもん。

小さな小鳥を消すことくらい簡単なことか。



「カサエル先生が目を見開いて天才だ、って言っていたくらいだからね。カーラも実技試験のあと、ルキくんすごーいって猛アタックしてたよ」

「猛アタックって……。そんなぁ…」