という具合で、実技試験は大失敗に終わったわけで。
今はカサエル先生に言われたとおり、保健室の暖炉で濡れた服を乾かしつつ、冷えきった身体も温めているということだ。
エイミーは泣きながら第一実技室を出た私を心配して、2時間目の実技試験を途中で抜けてまで私のそばにいてくれている。
「それにしてもさぁ、ルキくん。ほんっとに優しいよね。メイベルが水を被ってしまったときなんてさぁ…」
ほんの数分前まではライザに惚れた、とか言っていたエイミーが、うっとりとした表情でルキのことを賞賛しはじめた。
カサエル先生が私に保健室へ行きなさい、と言ったそのあと。
クラスメイトたちの笑い声がまだ残る中で、ルキだけは私を心配してくれていて、駆け寄ってきてくれた。
『風邪ひくよ』と言いながら、自分の黒いマントを脱いで私の肩にかけてくれて。
『泣かなくても大丈夫だよ、メイベル。人は失敗を重ねたぶん、強くなれるんだから』
そんな温かくも心強い言葉をかけてくれて、立てないでいた私の手を引き、立ち上がらせてくれて。
ルキに対する好きの気持ちが、また一段と膨れあがったという出来事があった。
「ルキくん、美男子だし優しいし、いい男だよねぇ…。それに実技試験もかなりすごかったしねぇ、あぁ、惚れるわぁ」
「ちょっとちょっとエイミー!ルキに惚れるのはぜったいにダメよ!」