ピーちゃんを部屋に残し、今朝は遅刻をすることなく登校することができた。
今日は朝から、カサエル先生による実技試験がある。
ということで教室に行くことはせず、登校したそのままの足でエイミーと一緒に第一実技室に向かった。
第一実技室にはすでにクラスメイトが集まっていて、ライザやトールボット、ルキの姿も見えた。
「あらあらあら、見てよメイベル。カーラがルキくんをロックオンしたみたいだよ。ほら、ルキくんに愛想ふりまいてる」
第一実技室に入るとすぐに、エイミーが耳打ちをしてきた。
エイミーの視線を辿ると、笑顔のルキの隣にはクラス一の美少女、カーラ・ロチェスターがいる。
胸まである長い金髪は、見事なまでに綺麗な縦ロールで、そのゴージャスなヘアスタイルは、毎朝1時間かけてセットしているのだとか。
エメラルドグリーンの瞳だったり、人形のようにぱっちりとした二重の眼が可愛くて、いつも羨ましいなって思いながら眺めている。
だけど外見はよくても性格はあんまり良くないから、私は彼女のことはちょっぴり苦手だ。
裕福な家庭で生まれ育ったカーラはワガママで、高慢で、クラスメイトに対して常に嘲笑的だからだ。
「厄介なライバルができちゃったみたいだねぇ、メイベル。お気の毒さま」
「むぅぅぅ……」
カーラってば、ルキを見上げながらほんのり頬を赤くさせたりなんかしちゃって。
笑いながらルキの肩や腕にソフトタッチしたりなんかしちゃって。
「わぁお、メイベルさん。顔が般若みたいになってるよ?」
「もうっ、さっきからエイミーはうるさいっ!カーラになんて絶対に負けないんだからぁっ‼」


