だってルキがつくってくれた魔獣なのだから。
この子はルキの魔力からつくりだされた魔獣だから、いえばルキの一部のようなものなのだから。
……とは、思っていても恥ずかしいから言えなかったから「あははっ…!だって本当に可愛いんだもん!」と豪快に笑ってみせた。
「それはそうとメイベル、君はまだ魔獣をつくるには魔力が足りないみたいだから、魔獣のつくり方を教えるにはちょっと早いかな」
「あー……やっぱりそうなの?無理言ってごめんね、なんとなくそんな気はしてたんだけど。ライザに馬鹿にされたからついつい…見返したくって」
私にはまだまだ魔獣をつくりだすだけの力がないってことは、自分でもわかっていたから大して驚くことはなかった。
まだ熱が冷めない顔をあげると、ルキは「もっとメイベルに力がついたら教えるね」と柔らかく笑っていた。
「うん、ありがとうルキ。わざわざ寮を抜け出してまで魔獣を見せてくれて嬉しかったよ」
「それは良かった。じゃあ、俺はそろそろ寮に戻るとするよ。また明日、学校で会おう」
ルキは目を細めて笑いながらさっと踵を返し、寮に向かって地面を蹴り歩きはじめた。
「あっ、ちょっと待って!」
せっかくふたりきりになれたのに、もう帰ってしまうの?
まだまだ一緒にいたいと思ってしまった私は、咄嗟にルキを呼び止めた。


