がくんと肩を落とす私を見たルキは、くすくすと笑い声をあげた。



「いいかい、今日からお前の主人はメイベルだよ。メイベルのことを守ってあげるんだ」



そんなことを言いながら右肩に乗っている魔獣を掴み、私の両手のひらにぽんと乗せてくれた。



「えっ……私なんかが主人だなんて、本当にいいの?だって魔獣はつくろうと思っても、実力がある人にしかつくれない貴重な存在なんだよ?」

「いいよ、俺は前にも言ったけど魔獣に興味はないからね。その子のことは、メイベルに任せるよ」



私の手のひらに乗る魔獣は、ルキの言葉を理解したようで「ピーッ」と甲高い声をあげると、私の右肩に乗った。



「ほら、魔獣もメイベルのことを受け入れてくれたみたいだよ。良かったね」

「うわぁ、ありがとうルキ!私、可愛い魔獣を肩に乗せて歩くことにすっごく憧れてたの!」

「そうか。喜んでくれて良かったよ」



魔獣には両親を殺されたという恨みはあるのだけれど、それは人を襲うような悪い魔獣に対してだけであって。

自在に魔獣を操る魔法使いっていうのには、フォルスティア学園に入学をした6歳のときから、ずっとずっと憧れていたのだ。



「はぁぁ、可愛い!可愛いよぉ……名前は何にしようかなぁ…」



右肩に乗る魔獣が可愛くて愛らしくて、頬ずりをしているとルキに「すごい溺愛っぷりだね」と笑われてしまった。