「だ……誰にも言わないでよっ」
誰かを好きになったのは、私がまだ初等部の1年生で6歳だったころに、2年生の男の子に一目惚れをして以来。
と言っても所詮は子どもの恋だったから、おままごとのようなもので、すぐに好きという感情はなくなってしまった。
だからこうしてエイミーに、恋の話なんてしたことがなかったせいか。
慣れない話というだけあって、手のひらや脇の下が汗ばんできた。
「言わないよ、大丈夫。ルキくんかっこいいし優しいし、絵本から飛び出した王子様みたいだもんね。好きになるのもわかるよ」
ノートにペンを走らせる右手を止めたエイミーは、からかうような笑顔を向けてきた。
「確かにかっこいいし優しいし……本当に王子様みたいな人だけど。それだけで好きになったんじゃないんだから…」
ルキは私を魔獣から救ってくれた、命の恩人だからね。
と、感情のままに呟いてしまったけれど、そういえばルキに助けてもらったことは内緒にしなくちゃいけないんだった。
慌てた私は「やっぱりなんでもない」と言葉を濁してみたけれど、エイミーにはっきりと聞かれてしまったようだった。
「えっ、魔獣から救ってもらったってどういうこと?」
いまさら誤魔化すことも難しいと感じた私は
「あの……実はね」と、言ったら駄目だとわかっていながらも、親友のエイミーにだけなら…という結論に至り。
今朝の出来事をすべて話すことにした。


