へなちょこ魔女は、ぎんいろの瞳に恋をする



ライザのやつ、いつになったら万年最下位とかっていう馬鹿にした呼び方をやめてくれるんだろう。

私が初等部の4年生からずっとそう呼ばれているけど、7年も経った今でもやっぱり聞くたびに腹が立つ。



ライザにぷいっと顔を背けると、身体を押しのけるようにしてむりやり教室を出てやった。

……ところで、何を思ったのかライザに突然左腕をガシッと掴まれてしまった。



「なっ……ななななななにっ⁉」



驚いて足を止め真横をみれば、ライザは「昨夜、寮を抜け出して転校生に会ってただろ?」とほくそ笑んでいる。

怪しげに口の端を吊り上げていて、それはまるで悪魔のような恐ろしい笑みだった。



昨夜はいきなり魔獣に襲われたり、ルキが急に帰ってしまったりとハプニング続きで、私としたことがすっかり忘れてしまっていた…。

そういえばライザに『寮を抜け出しルキに会う』ということを聞かれてしまったことを。



「あっ……会ってないっ…」



ここは寮を抜け出してない、としっかり嘘の主張をしておかなければ。

寮を抜け出したことをライザの前で認めたりなんかすれば、カサエル先生にチクられることは目に見えてわかる。



「へーぇ……なるほどねぇ」



するとライザはふん、と馬鹿にしたように鼻で笑ったあと。

私の左腕を掴んでいた手を離したかと思うと、ライザの細いながらに筋肉質な腕が私の肩に回ってきた。