「やっぱりルキくんがつくった魔獣だからかな?レックスさんがつくった魔獣が話せるのと同じようなもんで、優秀な魔法使いにつくられた魔獣は特別なのかもね?」

「ピーちゃん、そうなの?やっぱりルキがつくった魔獣だから特別な力があるの?」



肩に乗るピーちゃんを片手ですくいあげ、両手のひらに乗せるとその愛らしい小さな顔を覗き込んだ。

ピーちゃんは黒々とした目をまん丸くさせ、「ピー?」と小首を傾げている。



圧倒的な魔法の技術と、大人の魔法使いを遥かに凌ぐほどの高すぎる魔力があるルキがつくった魔獣だから、ピーちゃんはより命のある生き物に近くリアルに再現できたのかもしれない。

ピーちゃんを通して、昨晩にルキが魔獣と戦っている姿をまた思い出してしまった。



「やっぱりルキのことが心配だから今日は早く登校するね、エイミー!身支度もばっちりできたことだし、私はひとあし先に食堂へ行って朝ごはんにするよ」

「あぁ、うんどうぞおかまいなくー」



エイミーが残る洗面所を出たあと、肩に乗っているピーちゃんをおろして食堂に向かった。



今朝のメニューはクロワッサンとプレーンオムレツ、マカロニサラダにオニオンスープでどれも私の好きな食べ物ばかりだ。

それでもゆっくり味を堪能している時間すらも惜しく思えてしまうほど、ルキの様子が知りたくて。

大急ぎで朝食を食べ終えた私は、昨日よりもほんの少しだけ遅めの7時40分に寮を出た。