とにかくルキに会いたくて仕方がなかった私は、消灯時間をすぎるとすぐに涙を拭いて部屋から出た。
右肩にピーちゃんを乗せ、左手にはランプを持って。
寮内を巡回しているであろう、サマラさんとエリノア寮長に会うこともなく1階のトイレに辿り着くと、今や慣れた様子でトイレの個室の小窓から外へ出た。
外は変わらず闇を落としていて、雲の切れ間からのぞく、左上がほんの少し欠けただけの丸い月がぼんやりと空に浮かんでいる。
厚い雲がかかっている空には、せめぎあう星々も見えない。
天体観測が好きな私としては星が見えない空はつまらないなんて思いながらも、外灯に照らされた白い小道の上でルキを待った。
「ピッ‼」
肩に乗っていたピーちゃんが、遠くの足音に気付いたのか大きな耳を立てて後ろを振り返った。
これはルキが来たんだな、と肩をおりたピーちゃんが走り出した方向に目をやると、そこにはやっぱりルキの姿があった。
「今日は満月……じゃないか。ちょこっとだけ月が欠けてるね」
足元にまとわりつくピーちゃんを片手で掴むと、自らの左肩に乗せて私のもとへ歩みよって来る。
ルキと私の距離が一歩、また一歩と縮まるたびにドキドキが加速する。
「満月の日は魔獣がより強くなるから、メイベルを一人にさせないように急いできたつもりだったけど……ごめんね、待たせて。大丈夫だった?魔獣に襲われたりしなかった?」


