「それよりもメイベル、マーグレーンでルキくんの調査をした結果はどうだったの?」
消灯時間まであと30分というところで、隣の勉強机に座り読書をしていたエイミーが思い出したように声をあげた。
「あぁ、それはねぇ……」
エイミーもよく知っているジェニファーさんに、ルキの過去を見てもらったけれど防衛魔法に邪魔をされて見れなかったこと。
強い魔獣に記憶を抜き取られてしまったこと。
あとこれは話すつもりはなかったけど会話の流れで、レックスさんが話せる龍の魔獣をつくったことや、もしかしたらその魔獣がルキの記憶を抜き取った犯人かもしれないということも、「絶対に誰にも言わないでね」という条件をつけて話した。
「ルキくんの記憶が、レックスさんがつくった話せる魔獣に抜き取られたって?本当にそんなことってあるの?信じられない!」
「まぁレックスさんの魔獣が、ルキの記憶を抜き取ったっていうのは私の推測なんだけどね。でも、記憶を消すなんて魔法、使える魔獣は滅多にいないから他に犯人が考えられなくて…」
目を丸々と見開きながら「嘘でしょ?」と繰り返すエイミーは、もう読書どころではなくなっていた。
ルキの記憶が何者かに消された、ということだけでも信じられないのに。
さらにはその犯人が、レックスさんがつくった魔獣というのだから驚いてしまうのも無理はない。
加えて『話せる魔獣』なんて言ってしまったもんだから、エイミーは完全にパニックに陥っていた。


